旅する蜂ブログ

奥会津の地球暮らし

~マタギの見習い~ 自然を愛し、地球の詩を書き、奥会津の山奥で素朴に暮らす

我が家の右側の門番達

我が家の右側を守る、2人の門番達。
餌は熟した柿と、近所のおじさんから貰ったくず米、米ぬか、エゴマの搾りかす、森が育んだ沢水だ。
お金は一切かからない。
小屋は雪で包まれ、寒くて彼女らはいつしか卵を生まなくなった。
卵の為に飼っているわけではなく、僕自身も毎日食べるわけではないので全く問題ない。
2人の生きた存在が、2人の命そのものが日々の暮らしに厚みを与えてくれる。
近くの製材所から、処理に困っているというおがくずを貰ってきて、籾殻と混ぜて床に敷いた。
それ以降、臭い臭いがしなくなった。
木の持つ殺菌作用が程よく効いているのだろう。
日々、糞が自然に混ざってゆく。
これらを発酵させてこれからじっくりと堆肥を作るぞ!
鶏と共に生きる楽しき雪国暮らし。
目覚めさせて頂いた今日という一日を思い切り生きましょう〰!!

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静かな締めくくり

波の静まった、穏やかな湖のほとり。
薪を拾い集めて火を熾した。
汲んできた山の水で炊いた地の玄米。
野菜を刻んで作った味噌汁。
火を目の前に座り、手を合わせる。
26年を振り返り、今に至るまで生かしてくれたもの達へと静かに思う。
あふれでてくるのはありがとうの言葉。
2018年、最後の食事はやっぱり和食だった。
全力で作って、全力で美味しく食べた。
それはこのうえない食事だった。
雲が消え、いつしか夜空には星々が瞬き始めた。
湖のほとりには僕らのほかに男の人が一人だけいた。
同じように焚き火を目の前に、夜空の下に座っていた。
夜に、星に、すぐそばに横たわる湖に何を思い、何を感じて過ごしていたのか。
孤高に生きる彼はかっこ良かった。
派手に過ごすのではなく、静かに見つめ直す。
湖と波と火と星と月と山と共に、素晴らしい年の締めくくりだった。
 
翌朝、陽が山の影から顔を出した。
新年明けましておめでとうございます!!
去年よりも今年はより大きな年に、そして次の年は今年よりも大きく繋げていきます!
輝いて大きく大きく揺れ動く2019年、どうぞよろしくお願いいたします!
 

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巡る4つの季節の中で、大好きな季節がやって来た。
2年前、テントと寝袋とお米を詰め込んだザックを背負い、東北の冬を旅した。
そしてその世界に惚れた。
雪の美しさ、厳しさ、その中で生きる人々の暮らしそのもの。
旅して1年後、生まれてから20数年、育てられた地を去って、この地で暮らすようになった。
雪は僕をこの地へと導いてくれたもの。
この雪の世界があるからこそ、他の季節の存在が輝く。
今日もそんな雪達に囲まれて、このうえない幸せな一時をどうもありがとう。
これからも宜しくお願いします!

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冬至の収穫祭

昭夫さんと共に、冬至の収穫祭。
肥料も農薬も草取りも何もせず、ただほったらかして自由気ままに育った命達。
自らの力で種の殻を破って芽をだし、自分で必要なちからを大地から選びとり、虫に食われながらもびくともせず、たまに僕の愛撫を受けながら、日を浴び、天を目指して伸びていった。
逞しい力、とびきりの瑞々しさでその身はみなぎっている。
彼らを頂き、僕らの生命は彼らの力からなる。

一年で一番日照時間が短い冬至を迎え、今日から日ごとに日が増し、日が地に当たり始めるという。
ひかりを浴びて、世界がこれから上昇してゆく!
上へと上りゆく世界の大きな気の流れに乗り、今日という素晴らしい始まりの日から、運がどんどん開けてゆく!
彼らを食し、運も力も全快である。
数ヶ月前に夏至を迎えて、日照時間が減っていっても特に運は弱ることなく、多くの恵みに出会いに力を頂けた。
体と心は勿論のこと、運も、人生も全て天任せなんかではなく、全て食べ物から飲み物、生き方、日々の一つ一つの行動から、自分で生きて作ってゆくもの。

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我が家の門番達

我が家の愛しき門番達。
彼女らとは玄関を潜る度、毎日必ず挨拶をかわす。
日が過ぎてゆくにつれて、彼女らへの思いが大きく、そして理解が少しずつ深まってゆく。
日々彼女らから教わるのは、命の知。
その姿から、生きる姿から彼女らは語りかけてくる。
無事に冬を越し、春にまた元気よくこの世界を飛び回って欲しい。
人々の心が地球から離れ、世の中が荒れ果てた。
海や川や森が弱り果て、尊い命が失われ続けている。
蜜蜂も激減してしまっている今のこの世界。

来春、分蜂したら、いくつかの群は森に放ってあげる。
森をどんどん豊かなものに甦らせて欲しい!
そして共に世の中の人々の意識に思い切りぶつかっていこう!

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命の鎧

パートナーが作ってくれた、麻とからむしのズボン。
予想外に広がった、午前中の晴空。
その貴重な一時を逃さぬよう、洗濯。
冬の空から降り注ぐ、温かい陽のひかり。
地を覆う一面の雪がそれを跳ね返し、世界は強烈にひかり輝いた。
地に落ちた小さな種に命を吹き込み、大木へと育て上げてしまうひかり。
全ての命の源であるひかり。
そのひかりを思う存分吸い込んだ、天然素材手作りズボン。
どんなに高価なズボンよりも、これほど履いていて心地いいものない。
これを身に付ければ、日々に一層力がこもり、ひかり輝く活力が生まれ、僕の命を底から高めてくれる。
ものすごい鎧である。

ズボンが乾いた後に空は雲に覆われ、雨と雪が再び世界を包み込んだ。
陽に寄り添って、天の気分のままに流れる生活ほど心地いいものはない。
一時の陽のひかりに感謝し、それを存分に使わせて頂いた。

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荒野のオオカミ

雪の舞う山の中、ふと下を見ると雪と地が作り上げた1つの物語があった。
冷たい雪に、温かい大地。
彼らが作ったこの足跡。
これを見て「あ、オオカミだ」と思った、
アラスカの荒野で見た何百という彼らの足跡。
テントを張る所にはいつも彼らの足跡があり、姿はなくてもいつでも彼らの存在が僕の中にあった。
何度か聞いた彼らの遠吠え。
月の下で焚き火にあたり、ユーコン川に宿る月夜を眺めていると、森の奥深くから響いてきた、荒野に染み込む彼らの声。
感動して身が震えた。
僕の中で今も眠る彼ら、アラスカのオオカミ達が、奥会津の名も無き山のなかで、よみがえってきた。
旅の日々を思いだし、体験したありとあらゆることが顔を覗かせてきた。
日々を生きていて、ふとした光景の中に宿る豊かさ。
この日体感したものは僕の内に沈みこみ、いつの日か何かのきっかけで荒野のオオカミの様に出てくることだろう。
荒野は、ユーコン川は、かけがえのない多くのものを与えてくれた。
今を生きる地、奥会津の山々は日々多くの物語を与えてくれている。
山々は物質的なものだけでなく、豊かな心も人生そのものも育んでくれる。
山々は命というものを育んでくれる。

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