旅する蜂ブログ

奥会津の地球暮らし

~マタギの見習い~ 自然を愛し、地球の詩を書き、奥会津の山奥で素朴に暮らす

生きる食べ物

パートナーと友達が作ったあん&カボチャまんとベジタブルまん。
生地に、あんこ等の具材すべてが手作り。
お祭りで200個程売るという。
詳しい作り方はよく分からないが、キッチンで朝から晩まで二人でずっと作り続けていた。
パートナーが言った。
「手のひらからは、愛が出るの」と。
早さと効率をあまりにも追い求め、機械化しすぎてしまっている今の世の中。
絵でも文章でも料理でも何かを作るとき、その時間の中で様々な思いが沸き起こってくる。
その念が愛となり創造している手からにじみ出てくるのだろう。
日々の全てを手作業でやろうとは思わない。
完璧にとまでは全然言わないが、それでも失ってはならない部分を大切に僕らは日々を暮らしている。
これから先、もっともっと暮らしを、人生を磨いて生きてゆく。
なにより心地よく生きるために。
多くの人がそれを追い求めるように!

おやつと弁当におむすびとあんまんを持たされた。
それらはすんなりと体に馴染み、奥底から元気モリモリになった!
それは生きている、本物の食べ物だった。

 

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鹿の命

11月から汗を散らし、ゼーゼー言いながら山を歩き回って追い続けた。
今年は異様に暖かな奥会津
雪も例年の3分の1程度。
山を覆う雪は腐りきっていて、一歩出る度に足が雪にとられ、ジャリッと大きな音が響き渡る。
非常に不利な状況だった。
猟はゲリラ戦。
向こうが先に気がつくか、こっちが先に見つけるか。
寸分前につけた足跡は沢山あるが、姿も見れない日々がずっと続いた。
吹雪の中でも鼻水を垂らしながら追い続け、ようやく一頭の鹿を山の神々から授かった。
5歳程の大きな雄鹿。
山には多くの鹿達がいた。
やがて彼らは子を生み、これから爆発的に一気に増えてゆくだろう。
熊笹に、かやの木、楓・・・山の草木がかじられ食べられ始めている。
元々この地にはいなかった彼ら。
この豊かな地に及ぼす影響はこれから放っておけばますます大きくなってゆくだろう。
人々の意識が変わり、この美しき星を痛め付けて、自然界のバランスが崩れ去ってしまった。
だからこそ、今こそ世界が帰る時である。

折れて傷だらけの両の角が、厳しい世界を生きていることを物語っていた。
雪深い、切り立った山々の世界で生きてきた強き命。
解体して60~70㌔程の骨肉を背負い、体をきしませ、雪を踏み抜いてはひっくり返りながら山を降りてきた。
これまで多くの汗を流してきた。
僕らは生きるため、強く生きる為にこの命を食べる。
鹿を生かす為に食べる。
鹿は食べた僕らの中に入ってくる。
僕らの命の中で、彼らは生き続ける。
僕らの語る言葉の中に、彼らの魂が溶けてゆく。
彼らの魂が美しい世界へ無事に帰れるように、本気で生きて送り届けよう。
彼らの様に、彼らのために、彼らが報われるように、強く楽しく幸せに生きるのだ。
ありがとう。

#マタギ#猟#命#生命#地球#自然#山#肉#ジビエ#鹿#福島#会津#食事#身土不二#魂

 

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森の焚き火

尾根に沿って広がる冬の森。
熊の入っている穴を探し、太くて大きいナラの木を見て回る。
午前中いっぱい歩き回ったが、熊はいなかった。
風のこない窪地に入り、枯れた木の皮を集めて火をおこし、弁当を広げた。
炎は勢いよく燃え、炎のはぜる音が森のなかに散ってゆく。
とまることなく揺れては踊り燃える炎は温かく、生きていた。
その炎にあたっているだけで原始の癒しに包まれる。
山のなか、雪の寒さのなかの焚き火は心地よく、その前で食べる弁当は本当に素晴らしい。
余韻にひたり、腹を引き締め、鹿を求めて再び歩みを始めた。

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大寒と枇杷の葉

午後の一時にふらりと立ち寄った小さな丸太小屋の珈琲屋さん。
その駐車場に枇杷の木が一本生えていた。
パートナーは葉を一枚摘み取り、僕らは中へ入っていった。
木々の温もりに包まれる冬の昼下がり。
緩やかな陽光が射し込む窓辺。
運ばれてきた珈琲からは白い湯気が立ち上り、冬の窓景色の中に溶け込んでゆく。
珈琲は暖かく染み込んだ。
さっき摘みとった一枚の枇杷の葉が
テーブルに置かれていた。
その葉を見て、今までの人生の中で、枇杷にまつわる沢山の記憶がどっと甦ってきた。
幼い頃に食べまくっていた記憶。
小学校の庭に生えていた木の姿。
摘んで干してお茶にして飲んできたこれまでの日々。
ブラジルのアマゾンで出会った日本人のお婆ちゃん。
枇杷の葉にはまり、懲り、彼女は枇杷と共に生きていた。
彼女から毎日毎日聞いた、壮絶な移民時代の話の数々。
バナナを毎日食べ、日に焼かれ、虫に食われ、アマゾン川に抱かれて暮らした9ヶ月間のあの日々。
一瞬にして、ありとあらゆる沢山の記憶が甦ってきた。
「もう枇杷の葉茶がなくなるから、そろそろ摘まなきゃな」
枇杷の木、実家の裏に沢山生えてるよ、そこから沢山の葉を摘んでたよ」
会話は広がり、お互いの持つ枇杷の話から、どんどん広がっていった。
ほんの一枚の枇杷の葉から波紋の様に広がる世界。
ものに宿る豊かさとは、日々の豊かさとは。
枇杷の葉が静かに語りかけてくる。

今日から大寒
これからが寒さが一番厳しいとされる。
この寒さに耐え抜く命達。
枇杷の葉は、今日この大寒の時に一番生命力が高くなるという。
葉を摘み取るのに最適な時だ。
大自然が育む命、その高まった生命力を取り込もう!!
少しだけでいいから時間を作り、枇杷の木のもとに歩み、木の下に立って葉に触れ、多くの人が地球に意識を向けますよーに!
そして明日は月が満ちる満月の日!

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命の泉

集落のすぐそばにある泉。
大きな大木の下、枯れることのない清水が一年を通して地を潤し、雪の季節でもこの一帯だけは緑が息づいている。
その息吹を吸いに来る、ここは小鳥達の憩いの場。
それは生命力に満ち満ちた水だった。
毎日、この水を飲み、この水と共に暮らしたら、感性に日々はどのように変わってゆくのだろうか。

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尊き命

シシの尊き命。
それは山を生きていた大地の命。

彼らをこの世界に生み出した、遥か昔より紡がれてきた生命の連鎖。
彼らを育んできた多くの山々の恵み。
彼らには多くの物語が詰まっている。
この大きくて尊い命を食べる僕らは、それらを内に染み込ませ、猪達を背負って生きていく。
食べて生きていくとは、日々数多くの命を背負い続けていくということ。
命は知れずと責任と重みを増していく。
体に宿る、今まで食べてきた命を無駄にしないよう、彼らが全力で力に成ってくれるよう、毎日朝から生きることを全身と心で感じよう〰!

〰熟成中の猪肉〰

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我が家の右側の門番達

我が家の右側を守る、2人の門番達。
餌は熟した柿と、近所のおじさんから貰ったくず米、米ぬか、エゴマの搾りかす、森が育んだ沢水だ。
お金は一切かからない。
小屋は雪で包まれ、寒くて彼女らはいつしか卵を生まなくなった。
卵の為に飼っているわけではなく、僕自身も毎日食べるわけではないので全く問題ない。
2人の生きた存在が、2人の命そのものが日々の暮らしに厚みを与えてくれる。
近くの製材所から、処理に困っているというおがくずを貰ってきて、籾殻と混ぜて床に敷いた。
それ以降、臭い臭いがしなくなった。
木の持つ殺菌作用が程よく効いているのだろう。
日々、糞が自然に混ざってゆく。
これらを発酵させてこれからじっくりと堆肥を作るぞ!
鶏と共に生きる楽しき雪国暮らし。
目覚めさせて頂いた今日という一日を思い切り生きましょう〰!!

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