旅する蜂ブログ

奥会津の地球暮らし

~マタギの見習い~ 自然を愛し、地球の詩を書き、奥会津の山奥で素朴に暮らす

私生活

地球と話せるようになれ!

秋の暖かい昼下がり、昭夫さんと僕はカボチャ畑に寝そべり、本を読んだり昼寝をしたりしていた。 ずっとバタバタしていた仕事がようやく落ち着き、それは心休まる、穏やかな時間だった。 眠気に誘われるままにウトウトしていると、森の中からけたたましくカ…

裏山の沢

家のすぐ裏の山へ入ってゆくと、やがて小さな谷を流れる、澄みきった静かな沢に出会える。 いつでもその沢はそこにあり、同じような顔で、行くたびに毎回違う世界へ連れていってくれる。 冬は雪崩で行けないけれど、春、雪を踏みしめて行くと、森が芽吹き、…

山の不思議なほこら

山の深みへと続く峠の入口に、ほこらがある。 木々に囲まれ、苔むしたほこら。 師匠がこの山に入る時には、必ず手を合わす場所だ。 そんなほこらに、クルミと栗がいくつか転がっていた。 木から落ちたのだろうか? 辺りを見回しても栗の木も、クルミの木も無…

今は無きマタギの集落

集落を抜けると、道は、山の深き懐に包まれていった。 直ぐ真横は切り立った崖。 覗くと、はるか谷底を沢が澄みきった水で地を浄めている。 紅葉で燃える森をくぐってゆくと、何処からともなくカツラの木の甘い匂いが漂ってきた。 その香りは川となり、風に…

秋のふきのとう

秋のふきのとう。 新芽は、これからやってくる雪、その雪が溶けて空から降り注ぐ春の陽を、枯れゆくふきの葉の蔭でじっと待っていた。 彼らにとって、これからやってくる冬はどれ程過酷な世界なのだろう。 小さな新芽はそんな世界に挑む強靭な命だった。 摘…

1日の始まり

新潟県阿賀町の友達の家にきた。 日の出ととも家を出、未だ見ぬ未知の町を歩いた。 秋のひんやりとした空気の中、森の奥から静かに小川が流れ、辺りを静めていた。 鳥が藪の中を走り回り、カサカサと枯れ葉で音を奏でていた。 どんな人がこの家に暮らしてい…

流れる生命

僕の今住んでいる小さな集落は、谷間に静かに佇み、四方を山々に、広がる雄大な大地に囲まれています。 それらは豊かな贈り物を毎日僕らに届けてくれます。 夜が明けて外に出ると、今では秋の澄み切った空気の中、山の背から顔を出したばかりの朝日が、暖か…

蜂蜜物語

ある晴れた日の朝のこと。深まる秋の空気の中、庭の草をいじっていると、一本の草の花の先にふと目が奪われました。花の先には、絶命し、干からびたハエが一匹止まっていたのです。蟻等に食べられることなく、まるで彫刻の様に、命の尽きたその体をこの世界…

奥会津の森

叶津番所。 そこは、奥会津の山々に囲まれ250年もの間、どっしりと地に佇み、人々の営みを見つめ、支えてきた番所。 毎年そこではヨガ合宿が行われているそうだ。 「大自然の冒険と田舎暮らしについて、一時間程話をしてもらえませんか」と主宰者さんからお…

蜜蜂と友達

necchu-ec.com 僕の友達には、常識にとらわれずに生きている、面白い人達が沢山居ます。 彼らは時に世間一般からは変人と呼ばれることがあります。 でも僕は変人だとは一切思いません。 自分に正直に、真面目に生きている普通の人だと思っています。 梅干し…

秋のささやき

秋の山を歩く。 草や木の葉が赤に黄に染まっていた。 葉を覆う朝露が、陽に照らされて輝いていた。 朝の目覚めの喜びと、葉の散る間際の寂しさを吸収し、水は大気に散ってゆく。 森の様々な感情を含んだ水は、この世界の多様性の中に染み込んでゆく。 秋はど…

蜜蜂のささやき

夏の間、雨が全く降らず、畑も森も山も乾き果てていたここ奥会津では連日、雨が続いています。 空が今までの分の埋め合わせをするかの様に。 しとしと、しとしと・・・瑞々しい音を奏でながら、雨は乾いた大地を一滴一滴潤しています。 畑に行こうと戸を開け…

お弁当

お弁当。容器は、漆塗りの曲げわっぱ。幼稚園時代に買ってもらった大切な曲げわっぱだ。火力を間違えて焦がしてしまった玄米に、誕生日プレゼントに梅干し仙人さんから貰った梅干し。草が伸び放題のジャングルと化した庭で、強靭に育ち、採れた無農薬無肥料…

褌と共に

1年半前、20数年間身につけ続けていたパンツを捨てた。パンツに代わり、自作の褌を僕は身につけるようになった。褌を腰に、僕は日本を飛び立ち、北米の荒野を旅した。毎日毎日、偉大なる大河ユーコン川、雄大なる氷河の溶け水で褌を洗い、木の枝に吊るして…

音楽浄土

会津の象徴、磐梯山。その麓に佇む猪苗代湖。夕陽が空を、湖を、砕ける1つ1つの波を、波に撫でられる砂浜を燃やした。森のなかで遊んでいた人々が、一人また一人と湖畔に自然と集まってきた。これこそが人々誰しもが求めるもの。夕陽が沈む。辺りが暗くな…

スズメバチ

小さな小さな蜜蜂を捕まえに、毎日蜜蜂の巣箱に寄ってくる黄色雀蜂達。 雀蜂が近づく度に、蜜蜂達は固まり、その小さな体を震わせて抵抗する。 小さくて激しい生命の激突だ。 全身全霊全力で生きる眩しき命。 そんな雀蜂達を虫とり網で捕まえる。 箸ではさみ…

斧の柄

何もかもが初心者な僕。薪割りも当然下手くそだ。薪割りを始めて間もなく、斧の柄を思い切り丸太に叩きつけてしまい、見後に柄を折ってしまった。爺から受け継いだ大切な斧だ。このままでは冬の命を繋ぐ暖、薪を作ることが出来ない。早速、柄の取り替えにか…

白夜の荒野を下る

落ちかけた陽は空を染め上げ、それは一晩中消えることがなかった。 黒々としたスプルースの森を隔てて、空と川が向き合っていた。涼しい風が静けさと共に流れてくる。フクロウが鳴く森の中から、狼の遠吠えが響いてきた。その震える声には一言では決して言い…

伝えたい大切なこと

全国信用金庫協会さんで毎月発行される小冊子「楽しいわが家」の8月号に僕の文章を掲載させて頂きました。 一人でも多くの人々に自然からのメッセージを伝え、人々の心が自然に少しでも近づき、他のすべての生き物と調和のとれた世界に!この世界の自然が元…

早朝の沼沢湖

早朝の沼沢湖。打ち上がっている流木を拾いながら湖岸に歩いてゆく。暫く歩いていると、気持ちが落ち着く場所を見つけた。そこは森の木の葉に頭上を覆われ、湖面に森が写る静かな場所だった。広いこの地で、自分が特に心地よいと感じる場所を見つけた時は嬉…

小川の昼寝

数ヶ月後に確実にやってくる冬。 そこを生きるために、薪割りを今日から始めた。 バリバリ割れる感触がたまらず、くさびをハンマーで、丸太に夢中になって打ち込んでゆく。 気づくと汗で全身びしょ濡れになり、体は焼石の様に熱かった。 脳裏に涼しい沼沢湖…

僕と梅干し

「昔はあったけどもういらないから切っちまった」 誰に聞いてもそんな話が多く、近くで中々見つからない梅の木。 それでもようやく1本、貴重な1本の木を見つけた。 近くの山に住む、梅干し仙人の木だった。 数日前、梅干し仙人の家に野菜を届けに行った時、…

自然英才教育

強烈な日差しに焼かれる暑い午後。 あまりにも暑く、体は熱を帯び、汗がびしゃびしゃと止まらなかった。 たまらず、近くの山の中に住む友達に電話をかけ、家を出た。 向かう先は山の中に横たわる、静かな湖・沼沢湖。 森の木々に隠れた人の誰もいない、誰か…

朝の風と野草

ね山々の間を縫い、森を駆け巡り、朝の息を抱えて静かに吹いてくる朝の風。 虫や鳥の鳴き声、草木の香り、朝の涼しさを乗せた風に撫でられるヨモギとドクダミ達。 早朝に摘んできた野の精達だ。 風に当たり、音を浴び、彼らと一緒になって涼をとりながら静か…

夏のカボチャ畑

半年程前、気づいたら福島県の山奥の地、金山町に僕は引っ越していた。 それは暗くて寒い、初めての会津の冬だった。 数ヵ月間の荒野の旅で使いきり、空になっていたエネルギーを溜めながら、冬を静かに生きてきた。 そして春が来た! 春を迎えた! 今まで静…

草むらの卵

3羽の鶏が家族入りしてからそろそろ1ヶ月位たつのかな? 玄関を出ると彼らはいつでも何処からかパタパタパターと元気よく駆けてきて、僕の足元に集まってくる。 畑を弄っているときも近くで草を、虫をついばみながら戯れ、何処にいくのにも必ず僕の後をつ…

地球採取

日に数回、僕らが必ず行く場所がある。 桑の木の下だ。 見上げると、いつでもそこには熟し、黒々と輝く桑の実が実っている。 木の下は言うまでもなく涼しい。 生い茂る枝に葉が生きた傘となり、昼の強烈な陽射しを防いでくれる。 涼しいだけでなくそこは心身…

風に揺れるハンモック

再び湖に飛び込んだ。潜水して湖底を泳ぐと、夕日が線となって水に突き刺さっていた。それは陸上では決して見ることの出来ない神秘的な世界だった。暫く湖を満喫し、水から上がってハンモックに身を委ね、木漏れ日の下で宙に寝そべった。風が世界に動き、音…

天地の凝縮

夏が来た! 服を投げ捨て、カルデラの湖に飛び込んだ。 大昔に山が噴火して大穴が空き、長い時間をかけて雨水がたまって出来た神秘的な湖、沼沢湖。 泳ぐ魚を抱き、太陽、月、星々の姿を毎日見続け、降り落ちる雪を受け止め、流れ込む雪解け水を包み込み、風…

太陽と桑の実

涼しい早朝、桑の木に鳥が集って鳴いていた。 もうそろそろ食べ頃なのだろうか? 僕らが木の下に行くと、鳥達は一斉に近くの木々に散らばった。 喜ばしい食事を邪魔して申し訳ない。 見上げると、なっていた。 いくつかの熟した桑の実が朝日を浴びて、輝いて…