旅する蜂ブログ

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母なる地球を、自然を愛する!!

ユーコン川・荒野の旅 ~食料が尽き、フィッシュキャンプを回る~

食料が底をつきかけた。米やジャガイモ等の食料が ビーバー村での10日程の滞在中、日に日に乏しくなって行った。そして出航前には殆ど無くなってしまっていた。ビーバー村に店は無く、100キロ程下流の次の村・スティーブンビレッジにも、その村のまた100キロ程下流の次の村・ランパートにも店は無いという。店はビーバー村から300キロ程下流のタナナという村にあり、そこで食料を調達するまでどうにかやりくりしなければならなくなった。なんだかとても面白くなってきた。
僕は最悪数日間飢餓に苦しむ覚悟で、カヌーをビーバー村から出した。数日間食わずとも死にゃしないので、何も恐れもなかった。
二日前に、何処かで大規模な森林火災があったらしく、周囲見渡す限り真白の煙に包まれていた。川のはるか遠くの地平線は霞んでみえず、岸辺の森も空も世界は白かった。幻想的な世界であった。
下っている途中、その日に早くも米が尽きてしまった。川岸に生えるヤナギランやタンポポ、つくし等の野草はいくら食べてもすぐに腹は減り、もうそろそろ飢餓が始まるかと思いきや、川岸の至るところフィッシュキャンプ(夏の間、インディアン達が、川を遡上する鮭を集中的にとる為のキャンプ)が現れた。僕はあらゆるフィッシュキャンプに立ち寄り、体力が有り余る体を差し出し、鮭をとってさばき、ハエの卵を取り除くのを手伝いながら鮭を貰い食いつなぎ、小さな2つの村を越えてタナナ村へたどり着いた。面白かった。
寄る寄るフィッシュキャンプや村々では毎回面白い人が、出会いが僕を待ち構えていたのである。
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ビーバー村 スプルースの森の中に沈む夕日

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ビーバー村 深夜になると、インディアンとイヌイットの子供達と毎日のように夕日を見にいった

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さらばビーバー村

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白い煙に包まれる荒野と孤独な男

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白い世界をゆく

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川岸の森の中にたたずむ無人の小屋

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小屋の壁にかかる素晴らしき注意書

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川から吹き上げる涼しい風に揺れる鮭

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椅子で凍えて眠る生まれて間もない子犬
暇さえあれば至るところを噛みついてきた

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ユーコンフラットという平らな地を抜けて山岳地帯に再び入った初日、久々に目にする澄みきった水の小川近くのに張った素晴らしいキャンプ

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ジェシーおばさんのフィッシュキャンプ
白樺の林の中に抜けてゆく煙が良い


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鮭と煙

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ジェシーおばさんと孫のスティーブン青年

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ジェシーおばさんのキッチン小屋
雑誌を穴が空くように読みふける三人

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トーブに薪を入れる寡黙で裸の男・アモー
ジェシーおばさんの孫だ

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サワドゥというアラスカのパンケーキ
菌は、ジェシーおばさんが子供の頃、母さんから分けて貰ったという。ジェシーおばさんよりも年よりなのである

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白夜の漁の帰り

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ジェシーおばさんに蓋など要らない
一回り小さなフライパンで充分

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白樺の木々に見下ろされながらの眠り
テントよりも良い
1ヶ月程もう靴を履いてないため、足裏は砂利だろうが藪のなかだろうが殆どどこを歩いてびくともしない、頑丈な皮を作り上げた
自分の足裏をこれほど信用し、愛したことは今までなかった

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血と鮭

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マリーおばさんのフィッシュキャンプ
森の中の3ヶ月の赤んぼう
僕が取り上げると弾けるように号泣した

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紅茶飲んでけーと森の中から現れたインディアン
二人は夫婦でない、友達だ

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おばあさんから受け取ったクッキーを手に、ピーナッツ塗りすぎだよこりゃと、顔をしかめるおじいさん

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欲しかったヤカンを貰った空き缶で作った
とても気に入っていたのだが数日後、中身が錆びてきて駄目になった。悲しかった

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時にカヌーを引っ張ってゆく
スボンは股まで濡れ、洗濯になる。

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ランパート村で迎えた白夜
砂浜にいくと少女が二人焚き火で泳ぎ冷えた体を暖めていた。こんな光景が現実にあるのかと、その光景をみて頭をガツンとぶっ叩かれた。近くにごつい銃があるのがまたいい

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ランパート村
お世話になった老人とその丸太小屋

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これが両親だと言って老人が懐中電灯で照らす写真
ライトの光が反射して全く見えず、見えないと言っても耳が遠すぎて伝わらず。暫く輝く光を見続けた

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老人は耳が遠いのと、僕の英語が適当すぎるので、まともな会話にならず、夕日に輝くテーブルで筆談をする。

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斧で削ったという柱
苦労の波が刻まれている

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ランパート村 僕が寝た小屋

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灰色の岩に砂、川、そして白い白樺の流木
一見質素で何ともないものだと思うかもしれないが、度々目を奪われる

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森に住むバーバラおばさんとレースおじさん

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気持ちよく見送ってくれたレースじいさん

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荒野に似合わないごつい、キャプテン・ロウの塊

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キャプテン・ロウとその仲間達
真ん中のもっっじゃもじゃのおじさんがキャプテン・ロウ

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キャプテン・ロウの船のなかで寝たベッド
男の臭いしかしなかった

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キャプテン・ロウの船のなかでは沸かすコーヒーはボールで充分。洒落た容器など要らない

途中から時間なんて知る必要ねぇやと腕時計をザックの奥ふかくにかくした。今まで僕を縛っていた時間という縄が解かれ、またひとつ僕は自由になった。
日記を毎日つけていたのだが、何処かで1日ずれたらしく、今日が何日か定かでない日が続いた。キャンプのインディアンに聞いても、今日は今日だという返事が帰ってきて全く把握できず、まぁ何日かどうかなんてどーだっていいやと開き直り、今まで縛られていた日にちという鎖から解かれ、またひとつ僕は身軽になった。
タナナ村へ入り、久々に携帯を使った。この機械は本当に毒だ・・・が、それに犯されている自分自身
歯痒い限りである