家
「家」
福島県の山奥の小さな集落に住み始めて1ヶ月が過ぎ去った。
変化に富んだ日々を、これまで毎日過ごしてきた。
つい2日前も、4人の友達が突然遊びにやって来た。
個性の強烈な、自然と遊びが大好き愉快なおじさま達だ。
その内の2人はすぐ近くの山へバックカントリーへ繰り出し、残った僕らは町のゲレンデへ行った。
町民はリフトもレンタルも無料なのだ。
(ちなみに子供の教育費も医療費も無料)
輝く太陽の下、滑って滑って滑りつくして燃え尽き、やがて僕らは飽きた。
その後、疲れきった体をほぐしに温泉へ行った。
万病に効くという湯治場”鶴の湯”だ。
静かな露天風呂に浸った。
目の前には只見川が、雪を被った山々の間を滔々と流れていた。
温まり癒され、気も身もすっかりのびきった。
夜は鍋を作り、近所のおじさん友達を呼び、ご先祖様が見つめる中、囲炉裏を囲っての宴会だ。
ワイワイワイワイ。
話は深く深く深く深く・・・
気がつけば深夜の3時を過ぎていた。
いつも9時には眠ってしまう僕。
こんなに燃えたのはいつぶりだろうか。
そして家。
今まで誰も住んでなかった大きな家。
この大きな古い家に住み始めてから、しみじみと実感したことがある。
家は本当に多くの植物で出来ているということ。
黒黒と艶を放ち、堂々と佇む木の柱。
その1本の柱、1本の木でも、家となる前には何十年という長い年月、地球から多くの生命を吸いとって生きてきたのだろう。
雨風雪に打たれては強靭な幹を作り上げ、降り注ぐ陽光に葉を輝かせ、極寒の冬に堪え忍んできたのだろう。
木が根を張っていた大地も、地球が途方もない歳月をかけて作り上げてきたもの。
大地には、はるか昔に生きた、多くの生物達が眠っている。
大地に眠る生命の数は計り知れない。
それらを吸って、木は成長してきた。
雨に風、太陽に空気、大地に水・・・多くの動物達が1本の木を作り上げてきた。
木は雨に風、太陽に空気、大地に水・・・多くの生物のそれら全ての結晶だ。
そんな木を使って作り上げた家。
家は、とんでもない数の命に満ち溢れていた。
家に眠るのは、かつてそこで生きた人のご先祖様だけではない。
常に、ご先祖様をはじめ、多くのもの達に見つめられている。
その目は嘘も見抜き、悪いことなど絶対に出来ない。
家とは地球の縮図なんだな・・・と思った。
これまでの人生、僕は僕なりに色んな地を旅してきた。
多くの地で、自然を愛し地球をいたわって生きている多くの人々に出会ってきた。
彼らの家は、どの家もやさしく、居心地の良い家だった。
日々の生活、何気ない行動、思いが、その人の住む家を作り上げてゆく。
それはつまり、地球という家を作ってゆくことなのだろう。
途方もない数の生命に満ち溢れ、美しい変化に富む、地球という巨大な生きた家を。(友よ!皆で自然が溢れるめちゃくちゃ素敵な家を作ろう!!)
いつの日か、僕のフランス人の友人・ブルーノさんが、24年間作り続けている見た目はもう完成している家を前に、こんなことを言っていた。
「この家はまだまだ完成しないよ。」
荒野の森の中で、朽ちゆく、多くの丸太小屋を見てきた。
それらは朽ちて次なる生命、森へと流れていた。
朽ちて尚、森の中の小屋は生き続けていた。
家に完成と言うものは無いのだな。
常に変化し、川の様に淀みなく流れ続けるこの地球に、完成というものがないのと同じように。
多くの生物、そして僕ら人間、皆で作り続け、生きてゆく場所。
僕の今住んでいる家に人が住まなくなり、空き家となってどれ程の月日が流れていたのだろうか。
その間、部屋のなかはいつでも寂しく静まっていたことだろう。
そんな空間で、ワイワイ楽しむことで、家は甦り、これからも生き続ける!
そして訪ねてきた人をもてなす事への喜びを僕は覚えた。
文章がめちゃくちゃで、全く上手くまとまらないけれど、家っていいね!!
PS
2週間ばかり家出・・・いや村出します!
これから仕事をしていくのに必要なユンボとチェーンソー、刈払機の免許をとってきます。