旅する蜂ブログ

奥会津の地球暮らし

~マタギの見習い~ 自然を愛し、地球の詩を書き、奥会津の山奥で素朴に暮らす

旅する本

1年前、東北を旅している時に、青森県のある小さな港町で、僕は1人のおじさんと出会った。
そのおじさんは僕を潮風に晒された小さな家に招き、酒を飲みながらこれまでの人生の物語を淡々と話し聞かせてくれた。
おじさんは昔、罪を犯し、5年間牢屋の中で過ごしていたという。
おじさんには、5年という歳月は途方もなく長く、永遠に感じられた。
やることが何もなく、牢屋の気の遠くなる時間の中で、おじさんはある本を読んだという。
本の名前は「人間釈迦」
僕はおじさんに、この本は絶対に読んだ方が良いと勧められた。

僕は旅を終え、図書館に行ってその本を借りた。
手にとり表紙を眺めると、とても堅苦しい感じがした。
でもせっかく勧められたのだから、読んでみようと何度か挑戦してみた。
が、手にとってページを開かずにいつも終わっていた。
どうしても読む気が起きなかったのだ。
そうしている間に僕はユーコンへ旅立ってしまい、いつの間にかこの本の存在は、頭の中から綺麗に消え去っていた。

ほんの最近。
村の友人から手渡され、読んだ方が良いと勧められた本があった。
「人間釈迦」だった。 
1年という歳月を旅し、僕の元に再びやってきた。
直感だった。
これはもう読むしかないと思った。
それは1年がかりの読書だった。

内容は・・・素晴らしかった。
続巻も読み進めようと思った。
(時たま何か宗教に入ってるの?と言われるが、僕は無宗教です!)

あと70年位ある長い人生の内に、一体どれ程素晴らしい本に出会えるのだろうか。
これからそんな本にどんどん出会っていこう!!