旅する蜂ブログ

奥会津の地球暮らし

~マタギの見習い~ 自然を愛し、地球の詩を書き、奥会津の山奥で素朴に暮らす

波乱万丈の養蜂物語

今朝起きてみると、今まで水が少なかった用水路にはドウドウと音をたてて、勢い良く水が流れていた。
焦った。
灰汁や匂いをとるために丸太を浸けておいた場所に全力でかけていった。
呆然とした。
浸けておいた丸太が跡形もなく流されていたのだ。
目の前には透き通った清い春の水が無情に流れている。
水はドウドウと流れていた。
思い切りぶん殴られた様な大ショックを受け、頭が真っ白になった。
流された丸太は6個。
それらは腕をパンパンにし、丸々1日かけてくり貫いた、汗と情熱と魂の染み込んだ渾身の6個の丸太達だった。
梅干しを食って、3人で斬り倒したあの日を、木が倒れたときの大地を揺るがす振動を、昭夫さんの話を聞いてるときのワクワクした時間を、トンカチで思い切り打ち付けた指の痛みを、くり貫いた瞬間の感動を、集まってくる近所のお婆ちゃんじいちゃん達との時間を、作った日々の全てが流れてしまった。
何もかも全てが水に流されてしまったのだ。

丸太達は、野尻川まで流されて激流に飲まれて岩にぶつかり、砕け、最後広大な只見川を今頃どんぶら漂っているかもしれない。
それを思うともう最悪だった。
僕の世界は暗闇に包まれた。

聞くと、早朝に誰かが水門を開けたそうだ。
あと2週間位は開けないと聞いていた。
誰が何を思い、何が起きたのか・・・突然、話が早まり過ぎだ・・・と思った。
部落の人全員に浸けてあることを伝えなかった自分自身を悔いた。

でも希望を捨てなかった。
何処かに引っ掛かっているかもしれない!
丁度、山形から家作りの大師匠、ブルーノさん夫婦が僕の家に泊まりで遊びに来ていた。
起きたばかりの2人に手伝って貰い、丸太が何処かに引っ掛かっていないか、丸太大捜索が始まった。
ここの下にありそうだ!
無い・・・
あそこに引っ掛かってそうだ!
無い・・・・
トンネルの中を覗き、雪の下を覗き、上流から下流まで探し回った。
無い無い無い無い、どこにもない!
必死に探しまくった。
宝探しをしてるみたいで何だか楽しくなってきた!!

そして見つかった。全て見つかった!
夢中になってくりぬき、必死に探したかいあって、6個全て見つけることが出来た!
流された時、世界は暗黒であったが見つけた瞬間、眩しい日差しが一瞬にして世界を照らした。
雪や棒に引っ掛かっていたのだ。
見つけた時の感動は計り知れなかった。
これ以上の喜びはなかった。
丸太をくり貫いた瞬間以上の喜びだったかもしれない。

一連の事件を知った近所の人が、「用水路に着けると危ないからうちの池に入れていいぞ、30でも40でもいくらでも入るから!」と池を貸してくれた。

これから長く続いてゆく、波乱万丈の養蜂物語になりそうである。
ハチスとミツバチ物語。
毎日面白いものを授けてくれる退屈なき金山町。
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