旅する蜂ブログ

奥会津の地球暮らし

~マタギの見習い~ 自然を愛し、地球の詩を書き、奥会津の山奥で素朴に暮らす

旅と本

まだ雪の残る金山町から何百キロ南の、海を越えてはるか南の島のジャングルに行くために僕は飛行機に乗った。
暫くの間、僕は南国の水に空気に大地に海に抱かれてくる。
向かう先は西表島だ。

家作りに蜜蜂に樹液採集、薪集めに畑に山菜祭りに芽吹く新緑の森歩き・・・勢いに乗ってきた春の仕事全てを、置いてきた。

東北の地では決して見れない景色、食べられないもの、吸えない空気、南の島のそれら全てを思い切り堪能しよう!
新しい風にあたり、南の自然が与えてくれる新たなインスピレーションを求めて僕は旅立った。
10人ほどの仲間と共に。

大海原のはるか上空、晴天の降り注ぐ陽光の下、大興奮に包まれる飛行機の中で、持ってきた本を開いた。
古びた本だった。
土の中から発掘された化石みたいな本を見て、
「え、それ何回読んだの????」
隣から驚きの声があがった。
ユーコンの荒野の思い出がうんとつまった本だ。
それは雨風の唸る嵐のテントの中で、月光に輝く湖畔で、大河に揺れるカヌーの上で、大荒野の中で何回も読んだ、アラスカの泥と垢が染み込んだくたびれた本だった。
何回読んだか知れないが、読み始めると僕の中に刻み込まれたユーコンの荒野が、吹き出してきた。
目にし耳にし感じたその全てが美化されていて、輝かしく懐かしかった。
忘れかけていたあの時の興奮が甦ってきた。
僕にとって本は、過ぎ去った過去から色々な物語を投げ掛けてくれる宝物だ。

そしてこのユーコンの思い出のつまった本に、今回は西表島が加わる。
いつの日か、再びこの本を開いたときにユーコン西表島の混じったこの本は、どんな感動を与えてくれるのだろうか。

1週間ちょっとバイバイ金山町!
そして行ってくるぜ西表島のジャングル!!
貝に亀にバナナにアダンに木登りとかげに珊瑚・・・南の島の生き物に沢山会ってくる!!!
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