旅する蜂ブログ

奥会津の地球暮らし

~マタギの見習い~ 自然を愛し、地球の詩を書き、奥会津の山奥で素朴に暮らす

森の停留所

「バス停いらないか?」
集落の小さなラーメン屋のなかでおじさんに言われたこの一言が始まりだった。
僕は、集落のバスの停留所をそっくりそのまま貰った。
もう使われず、新しい道路を作るので壊してしまうそうだ。
まだまだ使える停留所、壊すのは勿体無く、変態の僕に言ったら飛び付いて来るだろうと思ったらしい。
おじさんの予想通り、僕は飛び付いてしまった。
バスの停留所を貰ったなんて人生で初めてのことだった。
自分の心に耳を傾け、真っ直ぐに生きれば、人生はやっぱり面白いなと改めて実感した。
面白く生きてれば面白いものが沢山降ってくる。

空は晴れた。
涼しい空気の流れる今日日曜日の早朝だった。
停留所の前に、師匠とその家族が集まった。
ユニックで停留所をそのまま吊り上げ、荷台にあげた。
停留所を上にしたトラックは走り、集落を抜け、山々の中に入ってゆく。
川音が響く、木々に囲まれた静かな地が見えてきた。
僕がこれから家を建てる地である。
外灯はなく、星空のきれいな場所だ。

停留所の基礎はそのへんに捨ててあったコンクリートのブロックだ。
曲がってる曲がってる!!乗ってない乗ってない!!もう少し後ろ!そうその辺だ!!
なかなか思うように停留所は基礎の上に乗らず、皆で力を振り絞って基礎を動かす。
面白かった。

またなに変なことをしているんだと人が沢山見にきた。
大の大人達が本気になって遊びだす。
その場の空気は一気に愉快な空気と化し、膨れ上がった。
大地も森も空も川も、木々に虫達、そこにいたもの達全てが僕らの作り上げた極上の意識に乗っかって来たことだろう。
それこそが世の中を変え、創る力である。

遊び場がたった!!
やった!!!
星空を見ながらの焚き火に、読書に、精神統一に、冬の猟の休憩場に、腹が減り、眠たく、干からびそうな旅人が来たときの寝床に・・・この小屋が秘めている底力は計り知れん!!
これからどんどん味付けしていくよー!!
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