旅する蜂ブログ

奥会津の地球暮らし

~マタギの見習い~ 自然を愛し、地球の詩を書き、奥会津の山奥で素朴に暮らす

地球採取

日に数回、僕らが必ず行く場所がある。
桑の木の下だ。
見上げると、いつでもそこには熟し、黒々と輝く桑の実が実っている。
木の下は言うまでもなく涼しい。
生い茂る枝に葉が生きた傘となり、昼の強烈な陽射しを防いでくれる。
涼しいだけでなくそこは心身を和らげ、潤してくれる場でもある。
吹く風が木は揺すらし、実は静かに踊りだす。
陽光や雨の滴が実にまとい、天と地の恵みが織り混ざる。

視界には何十、何百という溢れる実が映る。
その内のたった一粒の元に手は伸びてゆく。
その行為は無意識のもの。
どの実を摘もうか等は考えることなく、感覚で摘み取ってゆく。
目を落とすと、地は紫色に染まっていた。
いくら美味しそうな実でも、動物や僕らにも食われずに落ちてゆくものもあるものだ。
枝に付いたまま乾燥し萎んでゆくものもある。
無数にある内のたった一粒の実の元に手が伸び、摘み採り、一つの体に入ってゆくことは、人と自然との小さな縁であり、奇跡でもあるのだろう。
それは毎日食べている全ての食事にも当てはまるもの。
日々食べている米の一粒一粒にも。

風がそよぎ、木々は心地よい音を奏で、鳥が鳴き、陽光が差し込む葉の葉脈が美しく、すぐ近くには蟻や亀虫、てんとう虫等の虫達がその命を全うしている。
心は自然の中に確実に溶け込んでゆく。
多くの生命を感じる中で食べる一粒の実。
その瞬間、魂は満たされる。
採集、それは地球の生命を感じ、自分自信と向き合える時間だ。
採集という行為は、文明の根が隅々まではびこり、感じることの難しい現代には、本当に必要な、人にとって大切な仕事なのだろう。

瓶に詰めて、初めての果実酒作り。
砂糖を入れた瓶
砂糖も何も入れない瓶
どっちが美味く出来るかな?
上手く出来るかどうか考える前にやりたいことにどんどん挑戦だ!
そして一人でも多くの人が自然と触れ、地球を感じ、この星の生命に愛を抱いてくれることを僕らは願う!!

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