旅する蜂ブログ

奥会津の地球暮らし

~マタギの見習い~ 自然を愛し、地球の詩を書き、奥会津の山奥で素朴に暮らす

蜜蜂と友達

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僕の友達には、常識にとらわれずに生きている、面白い人達が沢山居ます。

彼らは時に世間一般からは変人と呼ばれることがあります。
でも僕は変人だとは一切思いません。
自分に正直に、真面目に生きている普通の人だと思っています。
梅干しを愛し、自給自足を目指し、世界平和を訴えながら、山の中でひっそりと暮らす夫婦。
歌を愛し、自然の循環の中で深く生きることを目指し、魂のほとばしりを、地球からの熱いメッセージを歌声に変え、世に訴えている男。
土を愛し、石を積みあげながら24年の歳月をかけて自分で家を建て、焼き物を焼きながら町はずれの林の中でひっそりと暮らす夫婦。
大いなる地球を愛し、人込みと文明を嫌い、1人アラスカの荒野に入って行き、家を建て、遡上する鮭に黒熊、大鹿等を狩り、荒野で1人、孤高に生きている男。
押し寄せる文明に翻弄されながらも、大昔から受け継いできた自分たちの魂を大切に生きるインディアンやイヌイット達。
皆が皆、自然を愛し、心を大切にして、自分自身の言葉を話し、地球の為に素直に生きている人達です。
 
そして昨日もまた新潟県からはるばる山々を越え、ここ辺境の地・奥会津金山町に個性溢れる2人の友達が遊びにやって来ました。
 
久しぶりの陽光が降り注ぐ穏やかな秋の午後でした。
僕はバールとハンマーで桐の木の丸太をくり抜き、来春、山や森に仕掛けるミツバチの待箱を作っていました。
そんな所に異質なオーラをまとった彼らはやってきました。
髭が顔面を覆い尽くし、野性的で優しい目を持ったスロバキア人に、美しい彼女がいました。彼らは今、電気もガスも水道も食べ物も自分達で自給し、大災害や戦争が起きて、たとえ国のインフラが止まったとしても、揺らがず頑強な生命の基礎を築き、生きていくことを目指しています。
そんな彼らは日本ミツバチをやりたく、でも、何をどうやればいいのか何も分からないため、その教えを請う為に、僕らのもとにやってきたのです。
 
彼は目を輝かせ、内に渦巻く疑問の嵐を、口から濁流の如く一気にぶつけてきました。
どうやって蜂を捕まえるのか、箱はどう作るのか、サイズは、どこに仕掛けたらいいのか、この穴はどうしてこの大きさなのだろう、これはなんだろう、あれはどうしてああなのだろう・・・どんどん熱を帯びていきました。
初めは1時間も話を聞ければ十分だと言っていましたが、気がつけば3時間も経っていました。
彼はスロバキア人。
国に居る頃、10年近く西洋ミツバチを飼っていたそうです。
そんな彼が語りました。
スロバキアでは昔から伝わる伝統のように、村人の殆どの人がミツバチを飼い、共に生きているんだ。日本に来たときに、こんなにも深く、多彩を極めた森に山が広がっているのに、ミツバチをやっている人があまりにも少なくて驚いたよ・・・」
 
僕らは願い、夢をみます。
美しき四季に揺られ、多様な自然が広がるこの日本という国の人々が、もっともっと日本ミツバチと共に生きることを。
ミツバチを飼うと、その意識はミツバチだけに留まらず、湖面に広がる波紋の様に、自然と周りのあらやる世界に広がっていきます。
森のこと、山のこと、川のこと、海のこと、草木のこと、虫達のこと、食べ物のこと、自分たちの命のことと、どこまでもどこまでも限りなく・・・。
マタギである僕らは強く願います。
もっと多くの人達、1人でも多くの人が、自然と共に生きていた昔がそうであったように、自然から離れてしまった心がもう一度、自然に心が近づき、寄り添って生きていくことを。
瑞々しい自然が生き、人々は活気に溢れ、自然と調和のとれた美しい国がこれから蘇ることを。
 
 

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