旅する蜂ブログ

奥会津の地球暮らし

~マタギの見習い~ 自然を愛し、地球の詩を書き、奥会津の山奥で素朴に暮らす

大寒と枇杷の葉

午後の一時にふらりと立ち寄った小さな丸太小屋の珈琲屋さん。
その駐車場に枇杷の木が一本生えていた。
パートナーは葉を一枚摘み取り、僕らは中へ入っていった。
木々の温もりに包まれる冬の昼下がり。
緩やかな陽光が射し込む窓辺。
運ばれてきた珈琲からは白い湯気が立ち上り、冬の窓景色の中に溶け込んでゆく。
珈琲は暖かく染み込んだ。
さっき摘みとった一枚の枇杷の葉が
テーブルに置かれていた。
その葉を見て、今までの人生の中で、枇杷にまつわる沢山の記憶がどっと甦ってきた。
幼い頃に食べまくっていた記憶。
小学校の庭に生えていた木の姿。
摘んで干してお茶にして飲んできたこれまでの日々。
ブラジルのアマゾンで出会った日本人のお婆ちゃん。
枇杷の葉にはまり、懲り、彼女は枇杷と共に生きていた。
彼女から毎日毎日聞いた、壮絶な移民時代の話の数々。
バナナを毎日食べ、日に焼かれ、虫に食われ、アマゾン川に抱かれて暮らした9ヶ月間のあの日々。
一瞬にして、ありとあらゆる沢山の記憶が甦ってきた。
「もう枇杷の葉茶がなくなるから、そろそろ摘まなきゃな」
枇杷の木、実家の裏に沢山生えてるよ、そこから沢山の葉を摘んでたよ」
会話は広がり、お互いの持つ枇杷の話から、どんどん広がっていった。
ほんの一枚の枇杷の葉から波紋の様に広がる世界。
ものに宿る豊かさとは、日々の豊かさとは。
枇杷の葉が静かに語りかけてくる。

今日から大寒
これからが寒さが一番厳しいとされる。
この寒さに耐え抜く命達。
枇杷の葉は、今日この大寒の時に一番生命力が高くなるという。
葉を摘み取るのに最適な時だ。
大自然が育む命、その高まった生命力を取り込もう!!
少しだけでいいから時間を作り、枇杷の木のもとに歩み、木の下に立って葉に触れ、多くの人が地球に意識を向けますよーに!
そして明日は月が満ちる満月の日!

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