旅する蜂ブログ

奥会津の地球暮らし

~マタギの見習い~ 自然を愛し、地球の詩を書き、奥会津の山奥で素朴に暮らす

褌と共に

1年半前、20数年間身につけ続けていたパンツを捨てた。
パンツに代わり、自作の褌を僕は身につけるようになった。
褌を腰に、僕は日本を飛び立ち、北米の荒野を旅した。
毎日毎日、偉大なる大河ユーコン川雄大なる氷河の溶け水で褌を洗い、木の枝に吊るして乾かした。
ユーコンの魂を吸い込んだ褌が風に吹かれ、はためくその姿は生き物そのものであった。
褌は生きていた。
川を吸い、森にぶら下がり、風にゆらめく。
川の水も、森の木々も、吹く風も、この
世界は動きこそが生命であった。
一丁一丁の褌に、日々愛着が湧いていった。
天然素材で、自分の手で一針一針縫っていった褌。
地に両の足を着け、そんな褌をグッと締めたときの心の締まり具合はパンツなんかの100倍だ。

荒野から帰り、福島の山奥に引っ越し、この地に住むお婆ちゃんが僕に褌を8丁も作ってくれた。
ありがとう。
4丁しかなかった褌は10丁を越えた。

そんな褌達を、藍染めした。
藍色に染まり、朝風を吸い込んで揺れる綿と麻の褌。
布に加工される前の、陽を浴び、風に吹かれ、大地に生きていた頃を思い出していることだろう。
日本人の魂である褌を身にまとってから日々の出来事が変わっていった。
出会う人に、起こること、考え・・・
それは褌がもたらした心の変化であった。
これからも褌と共に締まって生きていこう!

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