旅する蜂ブログ

奥会津の地球暮らし

~マタギの見習い~ 自然を愛し、地球の詩を書き、奥会津の山奥で素朴に暮らす

岩と松の呼び声

雪のちらつく峠を越え、沢沿いに車を走らせていると、大きな岩の上に座る、松の大木と出会った。
厚い雲に覆われる空に、薄暗く、寒々とした空気、冬の荒涼とした風景のなかで、その2つは異質な存在感を放ちながらじっとそこにいた。
土の無い岩の上に根をおろし、長い年月、命を燃やし続ける。
その中に宿る、命の強さに心を打たれた、
暫くの間、僕らはその場に引き留められた。
去り際、缶やらビニール袋のゴミが辺りに落ちているのが目についた。
こんな素晴らしい場に、こんな大きな命が生きる場で、何も感じず、平気でゴミを捨てていってしまった人達がいる。
彼らの暗く寂しい心と、その心が染み込んだゴミとが、この場の力を壊していた。
岩に木は動かず、ゴミを拾うことも動かすことも出来ない。
ただただ、待つしかない。
彼らに何故この場に引き留められたのか、彼らが僕らに何をしてほしかったのか、その理由の1つがそれだったのだろう。

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