旅する蜂ブログ

奥会津の地球暮らし

~マタギの見習い~ 自然を愛し、地球の詩を書き、奥会津の山奥で素朴に暮らす

早朝の沼沢湖

早朝の沼沢湖。
打ち上がっている流木を拾いながら湖岸に歩いてゆく。
暫く歩いていると、気持ちが落ち着く場所を見つけた。
そこは森の木の葉に頭上を覆われ、湖面に森が写る静かな場所だった。
広いこの地で、自分が特に心地よいと感じる場所を見つけた時は嬉しいものである。
そこは大地も木も石も、他の地よりも身近に感じられる場所だ。
程よい石に腰掛け、静かな早朝の世界に入っていった。
湖面は凪ぎ、水面に浮かぶ森もまだ目覚めていないよう。
向こうで小魚が微かな音をたてて水面を飛びはねた。
薄い波紋が微かに滲み出てきた。
何の魚なのだうか。
でもそんなことはどうでも良く、魚がここに生き、目の前で飛びはねた現実こそが大切なものだった。

風もなく、夏の暑い陽もまだ無い、なんという気持ちの良い世界なのだろう。
突然草の影からサギが水面を散らして飛んでいった。
水面は波立ち、波紋がゆらゆらと広がりってくる。
水面に写る木は徐々に乱れ始めた。
その乱れはどんどん大きくなり、やがて木はその姿を変え、水面で踊った。
その水上で静かにたたずむ木と、水面で激しく踊る木。
暫くすると波は小さくなり、再び静かな湖面に戻っていった。
生き物は、生きてこそ回りのものに命を吹き込んでゆく。
僕は湖に泳ぎ出た。
そこは初めて泳ぐ場所で、今までで一番綺麗な景色が広がっていた。
この地に生き、1日1日と少しずつこの地を理解してゆく。
理解することは大切なこと。
理解が深まるにつれて、水が地に浸透するようにこの地に染み込んでいける。
そしてこの地がどんどん好きになってゆく!

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