旅する蜂ブログ

奥会津の地球暮らし

~マタギの見習い~ 自然を愛し、地球の詩を書き、奥会津の山奥で素朴に暮らす

薪作り

近所に暮らすお婆さんが家にやってきて、積み上げられた薪を見て呟いた。
「薪をこんなによく作ったもんだ!うちは今年の冬薪が足りないかもしれない・・・、薪ストーブの暖かさを知ってるともう石油ストーブにはかえられないのよ」
物欲しそうに薪を見る目が忘れられない。
薪がきれた時、うちの薪を譲ることになるだろう。
今年は人生で初めて薪ストーブで冬を越す。
だからひと冬にどれだけの薪を消費するのか分からない。
例えお婆さんにあげても、冬の最中に薪をきらさないよう、雪が降ろうとまだ薪を割り続ける。
特に、朝の澄み冷えきった空気の中の薪割りほど気持ちいいものはない。
この白樺は、根本が腐って雪の重みに耐えられずに折れて道路を塞いでしまったひと。
それを片付けるのを条件で頂いた。
切って運んで割ってゆく。
水分を目一杯含んだ生木でも、乾いた木と組み合わせて燃やせば問題なく燃えてくれる。
木にはそれぞれの香りがあり、芽吹いてから今に至るまでその木の生きてきた物語がある。
その揺れる炎、はぜる音、香りにそれらをのせて漂ってゆく。
その流れによって生かされるものたちがいる。
命は消えることなく流れてゆく。
そしてこの白樺の香りをかぐとアラスカで毎日焚いた焚き火を思い出す。
炎と共に過ごす限りない一時。f:id:Yu-Ma:20191217063335j:plain