旅する蜂ブログ

奥会津の地球暮らし

~マタギの見習い~ 自然を愛し、地球の詩を書き、奥会津の山奥で素朴に暮らす

2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

北アルプス・穂高岳と借地権

一体この土地は誰のものなのだろう?ふと浮かんだ疑問は、初めはそんな素朴なものであった。だが考えるにつれてその素朴さは消えて複雑なものになっていった。 いや“誰の”というのもよく考えてみればおかしな話ではないか。土地とはそこに住むあらゆる生き物…

日光旅 僕らをひっ捕らえた看板

思えば、都会に住む僕は看板というものに惹かれる事は全く無い。店がぎっしりとひしめく中、店は人の目を引くため、看板にど派手な装飾を施す。他の店はそれに負けじとさらに派手な装飾を施し、また他の店はさらにさらにそれに負けじと・・・何処までも何処…

日光旅 枯れ果てた植物園

山形県米沢から栃木県日光市まで遥々伸びている国道121号線、その道路沿いの森の中に上三依水生植物園はひっそりと身を据えていた。約22,000平方メートルの園内に植えられた約300種の花々は春先から夏にかけて一斉に花開き、訪れる人の心を癒す。 しかし僕ら…

日光旅 森に呼ばれた朝

今思えば、あの引き寄せられるような感覚は凄いものであった。それはなにか見えない紐でぐいぐいと引かれているかのようであった。 10月16日の日曜日早朝の事であった。僕は叩き起こされたかのように突然はっと目が覚めた。皆まだ気持ちよさげに眠っている。…

日光旅、栃木県の集落を訪れて

短かった。実に短い旅だった。しかしこの旅は、この上なき良い出会いにそして深い感銘を受けた旅でもあった。その地を離れる時に感じた悲しみは、今までにあまりない程の大きさであった。残酷な鉄の塊は感傷に沈む僕を物凄い速さでその地から運び去った。一…

温泉大国・米沢の旅館に忘れ去られた者達

それはつい昨日10月13日の事だった。 「おいどうした八須君!お前・・・このままじゃ始末書もんだぞ・・・」部長は苦笑いを見せながら言った。 「ごめんなさい、2日前から見当たらないんです。絶対にどこかにあるんですが・・・」 僕は答えた。 「そりゃ~絶…

東北・会津に佇む地味な山。その名も三岩岳!

10月1日、初秋の会津は灰色の雲で覆われていた。穏やかな陽光を浴びることが出来ず、ブナの木々達はなんだか悲しそうに枝葉を垂らしている。僕ら3人はそんな生い茂る木々の下を通り、山の上へ上へと目指して歩いてゆく。 標高2,000m程の三岩岳。この山の…

医者が解き放った一言(続編② ~追撃~)

「20年後、人工透析になるわよ」 検査結果を見て、医者は僕の腎臓機能が年齢のわりに悪いと判断したのだ。 「もうその腎臓は良くならないんですか・・・?」 恐る恐る僕は尋ねた。 「ならないわ、腎臓は一旦悪くしたら決して元に戻らないの」 その言葉で…

飯をくれ!!

東北の旅も半ばを迎える頃、僕らは森の中を車で駆け抜けていた。 窓を開け放ち、葉の吐き出す新鮮な空気に酔いしれながら、のんびりと外の流れる景色を眺めていた。 (写真は窓が空いてないときです) そんな時、ふと僕らの目がある不思議なものを捉えた。 …