旅する蜂ブログ

奥会津の地球暮らし

~マタギの見習い~ 自然を愛し、地球の詩を書き、奥会津の山奥で素朴に暮らす

2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「漂流者の仮住まい」

車のドアを開け、薄く積もる雪の上に降り立った。目の前に建つのは僕の体の100倍~1000倍位大きな一軒家。古く、中に入るとずっしりと年季の入った息が吹きかかる。整然とした室内。1人の男が住むには十分すぎる、いや広すぎる位だ。そこは、これから僕の仮…

小屋を建てる地

僕は自転車から降りて辺りを見回した。滅多に車の入らない地は静けさに満ちていた。川の流れる音が絶えず響き渡り、気分を静めてくれる。この場所を訪れるのはこれで3度目だった。訪れる度にこの場所が好きになってゆく。 そこは、部落から100m程離れた山に…

地球と大地

大地 荒野の旅で僕は靴を脱いだ。僕は大自然の中で常に裸足だった。幼少期、僕はいつでも裸足で過ごしていた。小学校に上がると、僕は靴を履くようになった。それ以降24歳まで、僕は靴を履き続けてきた。僕は幼少期の自然体に戻りたかったのだ。靴を脱いで…

静かな生命

僕はキノコに飢えていた。 というのも、春~秋の半年間、僕はカナダとアラスカの荒野を1人で旅しており、キノコを殆ど食べていなかったからだ。日本に帰国後間もなく、キノコに飢えていたそんな僕に友人から声がかかった。 「会津にキノコ狩りに行かない?…

素晴らしい朝

夜明け前だった。土手の上に上がり、振り返ると僕は固まった。見事なまでのオレンジ色の朝焼け空が、町の上に広がっていた。こんなに綺麗な朝焼けは滅多に見られない。あまりの美しさに僕は見とれた。体中が嬉しさに満ちていた。 「おはようございます。綺麗…

運命の地

僕は窓の外を見た。木々の隙間から見える夜空には無数の星が輝いていた。人里離れた森の中、音が無い静かな夜、街灯も騒音も無い、何ものにも邪魔されずに純粋な眼差しで見ることのできる夜空。綺麗だった。突然、心地良い静寂を破って携帯電話が鳴り響いた…