旅する蜂ブログ

奥会津の地球暮らし

~マタギの見習い~ 自然を愛し、地球の詩を書き、奥会津の山奥で素朴に暮らす

私生活

新婚旅行・インドへ

12月21日深夜、インド・アフマダーバードに到着。 飛行機が大幅に遅れ、ホテルに着いたのは深夜1時近く。 体はくたびれていても興奮して眠れず2時半頃まで考え事をし、朝も興奮して4時半頃に目覚め、夜が明けるまでまった。 「おれはインドにいるのか・・・…

薪作り

近所に暮らすお婆さんが家にやってきて、積み上げられた薪を見て呟いた。 「薪をこんなによく作ったもんだ!うちは今年の冬薪が足りないかもしれない・・・、薪ストーブの暖かさを知ってるともう石油ストーブにはかえられないのよ」 物欲しそうに薪を見る目…

本当に美味しい納豆

ひ買った納豆を毎日食べていたこれまでの日々。 納豆の入っている白いパック。 納豆は確かに美味しいが、必ず出るそのゴミが僕の心を痛めていた。 その痛みがあるかぎり、心のそこから本当の美味しいとは思えなかった。 納豆を買い、僕は一人でどれだけ無駄…

生きる食べ物

パートナーと友達が作ったあん&カボチャまんとベジタブルまん。生地に、あんこ等の具材すべてが手作り。お祭りで200個程売るという。詳しい作り方はよく分からないが、キッチンで朝から晩まで二人でずっと作り続けていた。パートナーが言った。「手のひらか…

鹿の命

11月から汗を散らし、ゼーゼー言いながら山を歩き回って追い続けた。今年は異様に暖かな奥会津。雪も例年の3分の1程度。山を覆う雪は腐りきっていて、一歩出る度に足が雪にとられ、ジャリッと大きな音が響き渡る。非常に不利な状況だった。猟はゲリラ戦。向…

森の焚き火

尾根に沿って広がる冬の森。 熊の入っている穴を探し、太くて大きいナラの木を見て回る。 午前中いっぱい歩き回ったが、熊はいなかった。 風のこない窪地に入り、枯れた木の皮を集めて火をおこし、弁当を広げた。 炎は勢いよく燃え、炎のはぜる音が森のなか…

大寒と枇杷の葉

午後の一時にふらりと立ち寄った小さな丸太小屋の珈琲屋さん。その駐車場に枇杷の木が一本生えていた。パートナーは葉を一枚摘み取り、僕らは中へ入っていった。木々の温もりに包まれる冬の昼下がり。緩やかな陽光が射し込む窓辺。運ばれてきた珈琲からは白…

命の泉

集落のすぐそばにある泉。大きな大木の下、枯れることのない清水が一年を通して地を潤し、雪の季節でもこの一帯だけは緑が息づいている。その息吹を吸いに来る、ここは小鳥達の憩いの場。それは生命力に満ち満ちた水だった。毎日、この水を飲み、この水と共…

尊き命

シシの尊き命。 それは山を生きていた大地の命。彼らをこの世界に生み出した、遥か昔より紡がれてきた生命の連鎖。 彼らを育んできた多くの山々の恵み。 彼らには多くの物語が詰まっている。 この大きくて尊い命を食べる僕らは、それらを内に染み込ませ、猪…

我が家の右側の門番達

我が家の右側を守る、2人の門番達。 餌は熟した柿と、近所のおじさんから貰ったくず米、米ぬか、エゴマの搾りかす、森が育んだ沢水だ。 お金は一切かからない。 小屋は雪で包まれ、寒くて彼女らはいつしか卵を生まなくなった。 卵の為に飼っているわけではな…

静かな締めくくり

波の静まった、穏やかな湖のほとり。 薪を拾い集めて火を熾した。 汲んできた山の水で炊いた地の玄米。 野菜を刻んで作った味噌汁。 火を目の前に座り、手を合わせる。 26年を振り返り、今に至るまで生かしてくれたもの達へと静かに思う。 あふれでてくるの…

巡る4つの季節の中で、大好きな季節がやって来た。 2年前、テントと寝袋とお米を詰め込んだザックを背負い、東北の冬を旅した。 そしてその世界に惚れた。 雪の美しさ、厳しさ、その中で生きる人々の暮らしそのもの。 旅して1年後、生まれてから20数年、…

冬至の収穫祭

昭夫さんと共に、冬至の収穫祭。肥料も農薬も草取りも何もせず、ただほったらかして自由気ままに育った命達。自らの力で種の殻を破って芽をだし、自分で必要なちからを大地から選びとり、虫に食われながらもびくともせず、たまに僕の愛撫を受けながら、日を…

我が家の門番達

我が家の愛しき門番達。彼女らとは玄関を潜る度、毎日必ず挨拶をかわす。日が過ぎてゆくにつれて、彼女らへの思いが大きく、そして理解が少しずつ深まってゆく。日々彼女らから教わるのは、命の知。その姿から、生きる姿から彼女らは語りかけてくる。無事に…

命の鎧

パートナーが作ってくれた、麻とからむしのズボン。予想外に広がった、午前中の晴空。その貴重な一時を逃さぬよう、洗濯。冬の空から降り注ぐ、温かい陽のひかり。地を覆う一面の雪がそれを跳ね返し、世界は強烈にひかり輝いた。地に落ちた小さな種に命を吹…

荒野のオオカミ

雪の舞う山の中、ふと下を見ると雪と地が作り上げた1つの物語があった。 冷たい雪に、温かい大地。 彼らが作ったこの足跡。 これを見て「あ、オオカミだ」と思った、 アラスカの荒野で見た何百という彼らの足跡。 テントを張る所にはいつも彼らの足跡があり…

命の授かり物

この日、僕らは山の神々から、大きく逞しく強く、そして尊い、2つのシシの命を授かった。昭夫さんは車をとりに行き、僕は森の中で待つ。杉の枯れ葉、枯れ木を集め、火をおこした。徐々に炎が力を増していった。燃える香りが漂い、パチパチとはぜる音が、雪…

昭夫さんの薪小屋。 解体した小屋の廃材に、空き家を整理掃除して出てきた屑木、切られて山に放置されていた杉の木、枯れて倒れて道を塞いでいたナラの木… 埃にまみれ、頭をぶつけながら空き家から運びだし、汗をかきながら積み上げ、ひたすら斧を振り下ろし…

岩と松の呼び声

雪のちらつく峠を越え、沢沿いに車を走らせていると、大きな岩の上に座る、松の大木と出会った。厚い雲に覆われる空に、薄暗く、寒々とした空気、冬の荒涼とした風景のなかで、その2つは異質な存在感を放ちながらじっとそこにいた。土の無い岩の上に根をお…

会津のフリーペーパー‘’会津嶺‘’

以前僕が書いた詞が、会津のフリーペーパー‘’会津嶺‘’12月号に載りました!! やったー! Facebook等でちまちま発信するよりも、断然多くの方の目に留まることでしょう。この短い詞を読んで、たった一人でも多くの人が、地球という僕らの星に意識を向けて、…

干し柿

干し柿5日目。ぶら下がって揺れる彼らに、今日の調子はどうだ!カビてないか?と、話しかけながら様子を見ることが、日々の生活の一部となった。毎日期待と希望を吸収して乾いて縮み、成長してゆく小さな木の精達。

雨の忘れ物

雨上がりの森を歩く。雲が空を覆い、木々の葉はすっかり落ち、遠く連なる山々は茶色に染まり、灰色の空気が流れていた。ほんの一瞬雲が切れ、その隙間から陽が顔を出した。それはこの日初めて浴びる、陽の光だった。その瞬間、森のあらゆるところがキラキラ…

梅干しの黒焼き

丸一日炭火の炎に焼かれ、出来上がった梅干しの黒焼き。じりじりじりじり・・・熱せられ、命の炎、そのエネルギーを長い時を経て吸収した梅干し。ただでさえ強烈なパワーを秘める梅干し。婆ちゃんが数年前に作ったそんな梅干しが、今日この日、さらなるパワ…

ランプ生活

長い間思いこがれていた、念願のランプ生活が昨日から始まった。 ランプに憧れを抱くきっかけとなったのは、一年前のユーコンの旅だった。アラスカの荒野を旅しているとき、夏を迎えると、やがて荒野には太陽が沈まない白夜がやって来た。白夜を迎えて初めの…

森のカモシカ

霧漂う森の中、カモシカと出会った。 彼が去った後も森のなかは暫くの間、特別な意味を持った。

朝靄の中の老人

西会津で迎えた朝。 外に出ると、陽がまだ目覚めていない世界は白い靄に包まれていた。 すぐ側の神社に吸い込まれるように入って行った。 靄に包まれて、彼らは荘厳と佇んでいた。 樹齢は600年を越すという。 見上げると、はるか樹上へもっていかれそうだっ…

山の一呼吸

沢沿いに続く林道を歩き、山に入り、稜線に続く杉林を抜けると、やがて原生林に入っていった。ブナやナラの、大きな老人達が生きる、澄みきった生気の満ちる、神聖な領域だった。前を歩くのは昭夫さんだ。熊に猪、鹿が残していった痕跡を追いながら、全神経…

山の生命

大地より目覚め、その一生を山に捧げ、山に生きてきた木。 その木が朽ちた時、キノコはその朽ち木を分解して再び大地に返すもの。 木はゆっくりと崩れてゆくその中で、何十年何百年という今までの一生を振り返り、その先の、次なる命へと思いを馳せているこ…

枯れ葉に眠るナメコ

枯れ葉に埋もれていたナメコ。 もし僕がこの場所に来なかったなら、木の根本に座り込まなかったら、このまま誰にも見つからずに萎れて朽ちていっただろう。 それはそれでこのナメコの辿る道。 この地を取り囲む広大な山々では、殆どのキノコに山菜、木の実達…

命を育む

集落から遠く離れた山奥に佇む、ブナの森。 秋の晴れ空の下、穏やかに流れる風の中、厚く積もった枯れ葉の大地の上に、僕はただ一人いた。 膝をつき、枯れ葉を散らしながら大地を撫でてゆく。 枯れ葉をひと撫ですると、現れたのは幾つもの小さな実。 ブナの…