旅する蜂ブログ

奥会津の地球暮らし

~マタギの見習い~ 自然を愛し、地球の詩を書き、奥会津の山奥で素朴に暮らす

新婚旅行・インドへ

12月21日深夜、インド・アフマダーバードに到着。
飛行機が大幅に遅れ、ホテルに着いたのは深夜1時近く。
体はくたびれていても興奮して眠れず2時半頃まで考え事をし、朝も興奮して4時半頃に目覚め、夜が明けるまでまった。
「おれはインドにいるのか・・・」
なかなか実感が湧いてこない。
インドを意識しはじめたのはここ最近2年のことだった。
この2年で出会った多くの人からインドの話を聞くようになった。
インドには絶対行ったほうがいい、インドは呼ばれなきゃ行けないところだよ等々。
もしかしたらインドに呼ばれているのかも知れないと感じてはいたが、インドに惹かれることはなく、行く気はなかった。
でも今はインドの地の上に確かにいた。
きっかけを作ってくれたのは環だった。
結婚してからことあるごとにインドの話をし、前世はインド人だったかもしれないとか、死ぬまでに一度は行きたい、そんな話を頻繁にしてくる。
そこで新婚旅行にインドを選んだのだ。
もし環と一緒にならなかったらインドの地を踏むことはなかったかもしれない。
それはそれでいいのだけれど、ここへ来たことによりまた新しい世界が広がるだろう。

そとは明るくなった。
僕は外に出た。
ガイドブックも地図も何も持ってきてないので、とりあえず足に任せて適当に街を歩きまわった。
猿が、牛が、ヤギが、犬達が人間の世界で違和感なく暮らしていた。
動物と人間の共生した暮らしがここにはあった。
日が昇るとともに人々の活気が高まり、街中は何処からともなく現れる人で溢れ、露店が所狭しにひしめき合う。
ただ歩いてるだけで、人は目が合うと笑顔で挨拶してくれる。
それに触れるたびに自然と心豊かになる。
そして排気ガスとクラクションや走行音がとにかく酷い。
朝方はそうでもなかった空気が今では白くくすんでいる。
そんななかおじさん達に混じって念願のチャイを飲み、露店でカレーを食べ、人々を観察する。
なにもかも奥会津とはかけ離れた世界である。
そして今夜、夜行バスでブージという地に移動し、環と合流する。
どんな再会となるのか楽しみである。
f:id:Yu-Ma:20191221202225j:plain
f:id:Yu-Ma:20191221202301j:plain
f:id:Yu-Ma:20191221202340j:plain

薪作り

近所に暮らすお婆さんが家にやってきて、積み上げられた薪を見て呟いた。
「薪をこんなによく作ったもんだ!うちは今年の冬薪が足りないかもしれない・・・、薪ストーブの暖かさを知ってるともう石油ストーブにはかえられないのよ」
物欲しそうに薪を見る目が忘れられない。
薪がきれた時、うちの薪を譲ることになるだろう。
今年は人生で初めて薪ストーブで冬を越す。
だからひと冬にどれだけの薪を消費するのか分からない。
例えお婆さんにあげても、冬の最中に薪をきらさないよう、雪が降ろうとまだ薪を割り続ける。
特に、朝の澄み冷えきった空気の中の薪割りほど気持ちいいものはない。
この白樺は、根本が腐って雪の重みに耐えられずに折れて道路を塞いでしまったひと。
それを片付けるのを条件で頂いた。
切って運んで割ってゆく。
水分を目一杯含んだ生木でも、乾いた木と組み合わせて燃やせば問題なく燃えてくれる。
木にはそれぞれの香りがあり、芽吹いてから今に至るまでその木の生きてきた物語がある。
その揺れる炎、はぜる音、香りにそれらをのせて漂ってゆく。
その流れによって生かされるものたちがいる。
命は消えることなく流れてゆく。
そしてこの白樺の香りをかぐとアラスカで毎日焚いた焚き火を思い出す。
炎と共に過ごす限りない一時。f:id:Yu-Ma:20191217063335j:plain

本当に美味しい納豆

ひ買った納豆を毎日食べていたこれまでの日々。
納豆の入っている白いパック。
納豆は確かに美味しいが、必ず出るそのゴミが僕の心を痛めていた。
その痛みがあるかぎり、心のそこから本当の美味しいとは思えなかった。
納豆を買い、僕は一人でどれだけ無駄なゴミを世に生み出していたのだろうか・・・。
そしてこれからも買って食べ続ければ、一体どれ程のゴミを生み出してゆくのだろうか。
この星が、その自然が好きなのに、それを自分自身で痛めつけていた。
これじゃあダメだ、と思った。
ゴミを出さないために、何より美味しく食べるために作ろう!と、決心した。
初めは上手くいかず、何度も失敗が続いたが、ようやく食べることが出来る納豆が作れる様になってきた。
味も心に染み入る美味しさも、売ってるものとは桁違いである。
次の目標は、大豆を育て、その豆で納豆を作ること。
f:id:Yu-Ma:20190318122726j:plain
f:id:Yu-Ma:20190318122751j:plain

生きる食べ物

パートナーと友達が作ったあん&カボチャまんとベジタブルまん。
生地に、あんこ等の具材すべてが手作り。
お祭りで200個程売るという。
詳しい作り方はよく分からないが、キッチンで朝から晩まで二人でずっと作り続けていた。
パートナーが言った。
「手のひらからは、愛が出るの」と。
早さと効率をあまりにも追い求め、機械化しすぎてしまっている今の世の中。
絵でも文章でも料理でも何かを作るとき、その時間の中で様々な思いが沸き起こってくる。
その念が愛となり創造している手からにじみ出てくるのだろう。
日々の全てを手作業でやろうとは思わない。
完璧にとまでは全然言わないが、それでも失ってはならない部分を大切に僕らは日々を暮らしている。
これから先、もっともっと暮らしを、人生を磨いて生きてゆく。
なにより心地よく生きるために。
多くの人がそれを追い求めるように!

おやつと弁当におむすびとあんまんを持たされた。
それらはすんなりと体に馴染み、奥底から元気モリモリになった!
それは生きている、本物の食べ物だった。

 

f:id:Yu-Ma:20190224194238j:plain

鹿の命

11月から汗を散らし、ゼーゼー言いながら山を歩き回って追い続けた。
今年は異様に暖かな奥会津
雪も例年の3分の1程度。
山を覆う雪は腐りきっていて、一歩出る度に足が雪にとられ、ジャリッと大きな音が響き渡る。
非常に不利な状況だった。
猟はゲリラ戦。
向こうが先に気がつくか、こっちが先に見つけるか。
寸分前につけた足跡は沢山あるが、姿も見れない日々がずっと続いた。
吹雪の中でも鼻水を垂らしながら追い続け、ようやく一頭の鹿を山の神々から授かった。
5歳程の大きな雄鹿。
山には多くの鹿達がいた。
やがて彼らは子を生み、これから爆発的に一気に増えてゆくだろう。
熊笹に、かやの木、楓・・・山の草木がかじられ食べられ始めている。
元々この地にはいなかった彼ら。
この豊かな地に及ぼす影響はこれから放っておけばますます大きくなってゆくだろう。
人々の意識が変わり、この美しき星を痛め付けて、自然界のバランスが崩れ去ってしまった。
だからこそ、今こそ世界が帰る時である。

折れて傷だらけの両の角が、厳しい世界を生きていることを物語っていた。
雪深い、切り立った山々の世界で生きてきた強き命。
解体して60~70㌔程の骨肉を背負い、体をきしませ、雪を踏み抜いてはひっくり返りながら山を降りてきた。
これまで多くの汗を流してきた。
僕らは生きるため、強く生きる為にこの命を食べる。
鹿を生かす為に食べる。
鹿は食べた僕らの中に入ってくる。
僕らの命の中で、彼らは生き続ける。
僕らの語る言葉の中に、彼らの魂が溶けてゆく。
彼らの魂が美しい世界へ無事に帰れるように、本気で生きて送り届けよう。
彼らの様に、彼らのために、彼らが報われるように、強く楽しく幸せに生きるのだ。
ありがとう。

#マタギ#猟#命#生命#地球#自然#山#肉#ジビエ#鹿#福島#会津#食事#身土不二#魂

 

f:id:Yu-Ma:20190223143157j:plain

森の焚き火

尾根に沿って広がる冬の森。
熊の入っている穴を探し、太くて大きいナラの木を見て回る。
午前中いっぱい歩き回ったが、熊はいなかった。
風のこない窪地に入り、枯れた木の皮を集めて火をおこし、弁当を広げた。
炎は勢いよく燃え、炎のはぜる音が森のなかに散ってゆく。
とまることなく揺れては踊り燃える炎は温かく、生きていた。
その炎にあたっているだけで原始の癒しに包まれる。
山のなか、雪の寒さのなかの焚き火は心地よく、その前で食べる弁当は本当に素晴らしい。
余韻にひたり、腹を引き締め、鹿を求めて再び歩みを始めた。

f:id:Yu-Ma:20190205170558j:plain

大寒と枇杷の葉

午後の一時にふらりと立ち寄った小さな丸太小屋の珈琲屋さん。
その駐車場に枇杷の木が一本生えていた。
パートナーは葉を一枚摘み取り、僕らは中へ入っていった。
木々の温もりに包まれる冬の昼下がり。
緩やかな陽光が射し込む窓辺。
運ばれてきた珈琲からは白い湯気が立ち上り、冬の窓景色の中に溶け込んでゆく。
珈琲は暖かく染み込んだ。
さっき摘みとった一枚の枇杷の葉が
テーブルに置かれていた。
その葉を見て、今までの人生の中で、枇杷にまつわる沢山の記憶がどっと甦ってきた。
幼い頃に食べまくっていた記憶。
小学校の庭に生えていた木の姿。
摘んで干してお茶にして飲んできたこれまでの日々。
ブラジルのアマゾンで出会った日本人のお婆ちゃん。
枇杷の葉にはまり、懲り、彼女は枇杷と共に生きていた。
彼女から毎日毎日聞いた、壮絶な移民時代の話の数々。
バナナを毎日食べ、日に焼かれ、虫に食われ、アマゾン川に抱かれて暮らした9ヶ月間のあの日々。
一瞬にして、ありとあらゆる沢山の記憶が甦ってきた。
「もう枇杷の葉茶がなくなるから、そろそろ摘まなきゃな」
枇杷の木、実家の裏に沢山生えてるよ、そこから沢山の葉を摘んでたよ」
会話は広がり、お互いの持つ枇杷の話から、どんどん広がっていった。
ほんの一枚の枇杷の葉から波紋の様に広がる世界。
ものに宿る豊かさとは、日々の豊かさとは。
枇杷の葉が静かに語りかけてくる。

今日から大寒
これからが寒さが一番厳しいとされる。
この寒さに耐え抜く命達。
枇杷の葉は、今日この大寒の時に一番生命力が高くなるという。
葉を摘み取るのに最適な時だ。
大自然が育む命、その高まった生命力を取り込もう!!
少しだけでいいから時間を作り、枇杷の木のもとに歩み、木の下に立って葉に触れ、多くの人が地球に意識を向けますよーに!
そして明日は月が満ちる満月の日!

f:id:Yu-Ma:20190120092818j:plain