森の中で待つ
短い夜が明け、樹上から鳥達の鳴き声が響き渡る。それを聞いて僕は目を覚ます。テントを出、すぐ目の前に広がる湖へと歩いて行く。凍てついた水のなかに入ってゆき、そして顔を洗う。冷たい水をかぶり、目が一瞬にして覚める。そして顔をあげ、広大な湖すを見渡す。湖の表面にはまだ氷が張りつめていた。それを見、僕は思う。まだだ・・・と。
1週間程前、ユーコン川の玄関口ホワイトホースに到着した僕は現在、町から車で30分程離れたラバージ湖の畔(レイクラバージキャンプ場)にキャンプを張っている。毎日、湖に張った氷の状態を観察し続けている。時たまブラックベアーやきつねが顔をだす森の中に、パリパリと響き渡る氷の割れる音を聞きながら本を読み、食べられる野草を勉強し、時々執筆しながら、僕は待っている。湖の氷が溶けたらカヌーを水に浮かせ、いよいよ旅立つのである!!それはあと1週間~10日程
森の中に出来上がった最上の僕の巣
日々の日課、薪割り
ヒッチハイクで乗せてくれたおじさん
町に行くとき以外、靴は基本的に履かない