旅する蜂ブログ

奥会津の地球暮らし

~マタギの見習い~ 自然を愛し、地球の詩を書き、奥会津の山奥で素朴に暮らす

ミツバチの巣作り

隣に住むお爺さんから桐の木を斬り倒して欲しいと頼まれた。
見てみると、その桐の木は電線の方に大きく傾き、枝は電線に覆い被さっている。
風や雪で倒れた際にはえらいことになってしまうだろう。
早速僕らは切りにかかった。
梯子をかけ、ノコギリを枝にかけたその瞬間、
「家に入って一服しろー!」
窓からお婆ちゃんが呼び掛けてきた。
なんだろう?僕らは道具を置き、いわれるがままに家に入って居間に座った。
テーブルの上には梅干しとお茶が置いてある。
お婆ちゃんは言った。
この地では昔から山仕事をやる前に必ず梅干しとお茶をとるそうだ。
そうやって怪我無く仕事を終え、無事に家に帰ってこられるという意味を込めて。
お婆ちゃん自らが浸けた、肉厚の梅干しだった。梅干しは甘酸っぱく、お茶はほろ苦い。
静かな落ち着いた空気が漂った。
乱れていた心に芯が通り、ぐっと引き締まった。
梅干しとお茶をとるのととらないのとでは、心にえらい差があった。

3人かかりで木を斬り倒した。
その木を貰い、玉切りにし、大師匠昭夫さんから教えて頂き、チェーンソーで切り込みを入れ、バールにトンカチを打ちつける。
無心になり、ひたすら打ち続ける。
カンカンカンカン山々に響き渡る金属音。
いってぇ!打ち下ろすハンマーは逸れ、手を叩きつけた。
いってぇ!!2度目。激痛だ。骨が砕けるんじゃないか・・・
ジャガイモみたいなもっとでかいハンマーが必要だ。

目を上げると、杉の木々でびっしり覆われている山々が目にうつる。
あれらが広葉樹に変わったら、蜜蜂や鳥や虫達にとってどれ程生き易い環境になるのだろうか。
僕が今住んでいる家、住み心地は十分だ。
その住み心地の良さを他の生き物達にも作っていかなければならない。
それこそがこの地球上での人間としての役目だ。
杉の木を切って、蜜蜂が喜ぶ蜜のなる木もどんどん植えていかないとな。

「何をしてるんだ?」音に引かれ、近所の人々が集まってくる。
まるで蜜蜂みたいだった。
「輝く花には蝶や蜜蜂が集まり、きったない夜の街灯にはきったねぇ蛾しか集まらん。街灯じゃなくて花になれ!」
去年旅をしていた時、山形県の山奥で工事現場のおじちゃんに家に招かれ、夜な夜なおじちゃんに言われた言葉を思い出した。
そのおじちゃんは夜に咲く花だった。
目指せ花!!

今年、極上の蜂蜜が採れますよーに!!!!!
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